【緊急対談】「災害から情報資産を守り切るソリューションとは」~電源バックアップのエキスパートから学ぶ~
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未曾有の被害をもたらした東日本大震災は、ビジネス現場にも多大な影響を与えた。そのひとつが東京電力供給圏内で実行された「計画停電」だ。今後は、猛暑で電力の需給が逼迫した場合に、緊急停電の処置が取られる可能性もある。停電中、企業活動が中断されるのはもとより、電圧変動などの電源トラブルによりデータ消失やシステム停止が懸念される。
そこで今回は、UPSソリューションズ株式会社 技術営業部 テクニカル・サポートグループ システムコンサルタント 石井 一騎氏を迎え、ノックス株式会社でストレージ製品の販売に携わる中川と共に、情報資産の危機管理について語ってもらった。
- ~計画停電の実行直後から電源装置についての問い合わせが急増したとお聞きしましたが
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石井:当社は、UPS(無停電電源装置)や発電機などを中心に取り扱っています。確かに「計画停電」が実行され、今後の電力不足が報道され始めた頃から、UPSの需要が増えたのは事実です。多くの企業関係者が、切迫した様子で問い合わせの電話をかけてきました。
やはり3時間も電気を止められると、業務に支障が出るのでしょう。それで長時間の給電が可能な発電車のレンタルサービスに申し込みが集中しました。
しかし台数に限りがあり、全てのオーダーに応えることはできませんでした。現在はお客様ごとに、どのくらいの電源容量のシステムを保護したいか個別に対応を行い、最適なソリューションを提案しています。
中川:残念なことに、対策の重要性は認識していても何も起こらなければ、そのままにしてしまう傾向がありますよね。ノックスの場合はバックアップシステムですが、阪神大震災が発生した直後に今回のUPSソリューションズ様と同じような経験をしました。
当時はほとんどの企業がメインのコンピューター機器のすぐ隣にバックアップ装置を置いていたので、メインのシステムもろとも破壊されてデータが消失するケースが続出しました。これをきっかけにバックアップの在り方とそのシステムの重要性が認識され、データを遠隔地にレプリケーションするディザスタリカバリシステムが急速に普及しました。あれから16年、企業が抱えるデータ量は毎年50%と爆発的に増え続け、情報資産としての価値がさらに高まった今、この震災でシステムが本当に無事だったか、問題があった場合どのようにすれば解消できるのか、検証されている企業が多いとお聞きしています。
- ~あって当たり前の電気がなくなることで、改めてUPS(無停電電源装置)の利便性に気付いたのではないでしょうか?
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石井:UPS本来の役割は、停電が発生した時に内蔵されているバッテリーにより、サーバやストレージが安全に停止するまでの間、電力を供給することです。発電車の場合、停電が終わるまで電気を供給できますが、停電が実行されるたびに頼まなければならず、コストがかかる上に停電の時間に間に合うかどうか分かりません。確実さやコストを考えると、電源対策はUPSをメインとするべきですが、UPSは本来、月1~2回程度の停電を想定して設計されており、「計画停電」のように毎日繰り返す停電の使用には工夫が必要になります。
- ~工夫とは具体的にどのようなものでしょう?
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石井:現在、当社では4台のUPSと2台の「入力電源冗長化ユニット」で構成するソリューションを推奨しています。これは4台のうち2台のUPSを交互に停電前に停止、復電後に起動できるよう、状況に合わせて自動的に電源を切り替えられる「入力電源冗長化ユニット」を使って実行するシステムです。2台が停止している間、残った2台で停電時のバックアップを行わせることにより、毎日3時間以上の電源供給を可能にしています。おかげさまで予想を上回る反響があり、数社に導入させていただきました。
- ~5月現在、電力不足解消の見通しは立っていません。いずれにしてもストレージとUPSは、情報保護に欠かせないアイテムです。
今後、どのような対策をとればよいのでしょう?
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中川:この計画停電のためだけでなく社会の節電への意識はますます高まり、電力コストを削減するための省エネ効果の高いITシステムが積極的に採用されています。その最も効果的かつ現実的な手法がサーバやストレージを統合する仮想化ソリューションです。現在稼働しているITシステムを数十パーセント以上削減(統合)することができれば電源容量も比例して大幅に削減でき、省エネ効果が期待できます。特にストレージについては、弊社は3年程前からスピンダウンするディスク装置(電源容量をほとんど必要としない装置)や、利用頻度の少ないデータをコンパクトに圧縮、重複排除するストレージシステムを利用し、余分なストレージを削減できる様々な特徴を持ったシステムを提供しています。VMwareを代表とする仮想化環境が至るところで構築され、ITシステムの全体的な物理サーバの削減構想やプランがまさに現在の旬な方向性と言えます。
- ~では、仮想化環境下の電源対策を教えてください。
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石井:一般的な企業では物理サーバ上に、様々な業務アプリケーションを乗せた仮想マシンを複数稼働させ、多様な部門・部署が利用しています。これを安全に停止させるためには、手動操作でサーバ、ストレージ、ネットワークの順で止める必要があり、管理コストや人的ミスも高くなります。しかし、VMwareなどの仮想化ソフトウェア対応や、スケジュール運転機能を備えたUPS製品を導入すれば、仮想化環境にある複数のIT 機器の安全なシャットダウンが可能となります。
- ~事前に準備すれば被害を最小限に止められるということですね。
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中川:震災により顧客データなどを消失してしまうと、企業活動の再開もままなりません。東日本大震災で大きなダメージを受けても、BCP(ビジネス継続計画)を準備し実践した企業は、いち早く事業を再開できたと聞いています。情報資産保護の鍵を握るUPSとストレージをBCPに組み込み、ビジネス/ITの継続性に対する経営方針を明確に打ち出すことが、今求められているのではないでしょうか。
- ~本日はお忙しい中、ありがとうございました。
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対談を終えて
社会全体で節電の仕組みづくりが検討される中、企業システムの仮想化はさらに進むだろう。それに伴いUPSやストレージの運用管理が複雑になった時に、電源装置とバックアップシステムのエキスパート同士が手を組めば、低コストで導入できて使いやすい、社会的ニーズの高いソリューションが生まれるだろう。
公開日:2011.05.13
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